ぐだぐだキューバ旅 〜食べ踊り喋り続けた日々〜

ガイドブックもネットもなし、19日間キューバをほっつき歩いたぐだぐだ日記

ハバナからシエンフエゴスへ

12/26

約束通り7時半に起こしてもらい、エンゾーの家で朝食。粉ミルクとフルーツだけ。残念ながらそんなに美味しくない。また犬の散歩に行くというので付き合う。

 

ここのカサは夕食が5cuc朝食が3cucという約束だった。宿泊料金はAirbnbで支払い済みのため、8cucを10cuc札で支払って小銭をもらおうとする。ところがここで、クリスマスだから2cucは奥さんへのプレゼントにしてよ、とエンゾーが言い出す。こういう言い方は好きではない。だったら始めから10cucに設定しておけばいいのだ。しかも、ろくに外出していない私は高額紙幣しか持っておらず、バス旅に備えて何としても小銭が必要であり(トイレや水を買うため)、このお釣りの小銭を当てにしていた。こういう手はずるいと思うが、折り合いがつかないし、バスの時間も迫っているので、あなたの言っている意味が分からない、と部屋へ引っ込んだら、案の定お釣りをくれた。

 

1人で歩いて行けるから大丈夫だと言い張ったが、エンゾーがやたらと心配して、一緒にバスターミナルまで送ってくれることに。満員のローカルバスでViazulのターミナルへ向かう。このローカルバスは本当に身動きできない混雑ぶりで、降りるときが最も大変だ。降りる降りると叫んで人間をかき分け、何とか降りられた。バス代出してもらって申し訳ないが歩いて行った方がたぶん快適だった。(このローカルバスはcup払いで、日本円にして¥5ほどだから、ただ同然だ)

 

ターミナルはツーリストでごった返しており、なかなか進まない列に並ぶ。ネット予約していてもチケットと引き換える必要があるのだ。このチケットというのがぺらっぺらの心許ない代物なのだが、これでちゃんと乗れる。しかし発車時刻が前後することがあるので、そこだけは印刷された時刻を確認しておく必要がある。座席番号のようなものも印刷されているが、これは全く関係なく、何のために付けているのか不明だ。

 

バスを待ちながらニュージーランドからのカップルとドイツ人男性と会話に盛り上がる。英語だけの会話になってしまい、エンゾー少し寂しそう、かと思いきや、カサカードを配りまくり、自分のカサをさかんに宣伝していた。

 

バスは満席、Wi-Fiのないキューバ、乗客同士話が弾み、まるで修学旅行だ。先程のニュージーランドカップルは横の座席、ドイツ人男性と連れの女性は前の座席に座っていた。隣には中国人男性が座った。彼ジャッキーは日本と北海道が大好きで何度も来日しているそうで、私が札幌に住んでいると言うと大喜びし、これまた異様に話が盛り上がる。5時間の移動中、ほぼひっきりなしに喋っていた。

ジャッキーの話を聞いていて、自分の中の偏見に気づく。私の住む都市は近年大量にインバウンドが押し寄せ、そのかなりの部分を中国からの観光客が占め、完全にオーバーツーリズム状態であり、彼らに良いイメージは持ち合わせていなかった。ジャッキー曰く、上の世代の中国人は常に団体で行動し所構わず大声で喋る、僕はその土地に行ったら周りを見て同じようにする、そこのやり方は知らなくても見れば大体分かるし、そうするべきでしょ?と。世界を知る若い世代は考え方も柔軟。

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Viazulの長距離バスは、途中道の駅的なところで休憩を挟む。時間は30分だったり45分だったり。出発時刻はアナウンスがあり、頭数もしっかり数えてから出発するので、置いて行かれる危険はなし。

移動を始めると旅行気分が盛りあがってくる。途中休憩した場所が、何ともいい感じの道の駅のようなところ。美味しそうなビュッフェがあるが、休憩時間が30分しかないので、水だけ買って諦める。休憩しながら先程のドイツ人男性と連れの女性と話をする。ヨーロッパの人達は簡単に5か国語くらい喋る。あれだけ行き来が自由で国が密集していれば、そうなるんだろうな、羨ましい。女性の方はフランス人らしい。一人前の大人になるには一人で旅をするのがいいって言うけど、私はそれができなかったのよ、と彼女は話す。

ドイツ人男性からキューバでの給料の話をちらっと聞いた。海外で勉強した医者でも、1ヶ月の給料は日本円で1万にも満たないくらいなのだそうだ。それにひきかえ、観光客相手は最高に儲かるのだろうな。カサ経営やタクシー運転手、彼らがどのくらい税金を納める仕組みなのかは知らないが、通常の仕事に比べて何十倍も稼げることは間違いない。キューバには資本主義経済が押し寄せている。きっと所得格差もずいぶんあるに違いない。しかし観光産業はキューバの経済を支えている。これからどうなって行くのだろう。

 

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道の駅にはトイレ、レストラン、土産物店などがあり、まったりできる。バスの中に残ることは許されず、必ず全員降ろされる。

 

その後バスは、プラヤ・ラルガ、プラヤ・ヒロンで停まりながら、海岸沿いを走る。うとうとしかけた時、ジャッキーに、すごいカリビアンブルーだ!と言われて起こされる。とんでもない色の海が見えた。海側に座ってラッキーだった。

 

猛烈な眠気に襲われ、気がつくとシエンフエゴスの街に。思わず身を乗り出して眺める。中心部の街並みがとても美しかったのだ。ジャッキーもトリニダーよりこちらがいいと、トリニダーまでチケット持っていながらシエンフエゴスで降りてしまった。バスターミナルの前はやはりカサの客引きが多い。私は今日はもう予約してあるからと言ってかわす。ジャッキーは自分はスペイン語ができないからなあと言いながら、客引きの誘いには乗らず、一人で探すとそのまま行ってしまった。

 

La Perla del Sur(南の真珠) シエンフエゴス到着だ。 ここで4日を過ごすのだ。