ぐだぐだキューバ旅 〜食べ踊り喋り続けた日々〜

ガイドブックもネットもなし、19日間キューバをほっつき歩いたぐだぐだ日記

悪夢のトリニダー滞在 その1

トリニダー滞在が悪夢のように感じたのは、いくつか理由がある。まず第一にとんでもなく暑い。そもそも寒冷地からやって来ているので、温度差40度だ。無理矢理出歩いたが、観光どころではない。しかも雰囲気が騒々しく、実際大音量で音楽が流れ、暑さとの相乗効果で煩さが倍増する。さらにしつこいトリニダー男に執拗につけられ閉口した。そして休暇のピークと重なり、バスの空席待ちをした結果、5泊もする羽目になった。無益なぐだぐだ時間を過ごしたのだ。

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観光地トリニダーも、中心部を少し離れると人通りが少なかったりする。

12/29

トリニダーへはシエンフエゴスから1時間半。6cuc。さすが観光地。中心部は観光客だらけ。バスを降りた途端、客引きに取り囲まれる。とりあえず水を買うと、なんと1.5cuc、トリニダーは高いと言われたが、シエンフエゴスの3倍だ。

迷いながら歩き、郊外のカサへ。近くまで来て家が特定できないでいると、流暢な英語を話す親切な青年が、この辺り全部知ってるからついておいで、と教えてくれる。日本が大好きなんだそう。日本語の文字を見て、ああ日本からなんだ、と言っていたくらいだから、相当知っているのだろう。カサが特定できなかったのは、Airbnbに掲載されている名称と実際の名称が違ったからだ。番地を見て、ここだよ、と教えてもらい、助かった。

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カサの周辺は観光客は少なく、地元の人達が行き交う。

カサのホスト、陽気なタニアが迎えてくれる。暑いでしょう、ジュース好きなだけ飲んで、と出してくれる。フルーツがタダ同然の価格らしく、水は高いがフルーツジュースはどこでも山のように飲ませてくれる。

さっそく市内の説明、見どころ、足を伸ばして行ける場所、食事のことなど教えてもらうが、一気に情報を聞きすぎて、何がいくらだったか曖昧だ。暑さで頭がまともに働かない。ここはWi-Fiが使えるカサということだったが、できるのはメールチェックくらい。そしてすぐ繋がらなくなったりと、予想通り。せっかくネットなしの旅をしているので、それはそれでいいかと思う。この日はくたびれ過ぎて、そのまま寝てしまう。

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ロベルトとタニアのカサは観光エリアから離れたエリアにある。バスターミナルへは25分ほど。こちらも人気のカサらしく、2つある部屋も予約でいっぱいのようだった。

12/30

12時間眠り続けて9時過ぎに目覚める。昨夜シャワーを浴びている時タニアに呼ばれたのに、気づいたら朝まで眠ってしまった。朝食を9時に頼んでおいたので、1時間遅れ謝る。ここの朝食も豊富で美味しい。パンは山盛りで、全部は食べ切れない量。夕食は8時に魚料理をお願いする。キューバでは食材を入手するのが大変だから食べたいものは早めに言って、とタニアに言われている。

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朝食はチーズを挟んだパン、フルーツ山盛り、コーヒー、フルーツジュース。これに目玉焼きも追加。

街の中心部を歩き回りに行く。キューバ革命の資料が展示されている博物館(Museo Nacional de Lucha contra Bandidos)を見学する。1cuc。ここは英語とスペイン語で併記されており、観光客だらけだ。団体ツアーでの観光も多い。トリニダーにはシエンフエゴスのような静けさはない。

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この博物館も、革命時の資料、犠牲者の写真、武器、カストロの言葉などが展示されている。

一通り見終わると塔に登る。急な階段を上がると街が一望できる。屋根瓦が味わい深く、上から見るトリニダーの街並みは素敵だ。思わずたくさん写真を撮る。塔の上では4つの窓から風が抜け、暑さが和らぐ。次から次へ人が登って来ては記念撮影している。眺めの良い窓は絵を描くアジア人女性に長時間占領され、他の観光客も彼女を跨いで記念撮影しなくてはならず、なかなか面倒そう。絵を描きたくなる気持ちも分からなくはないけれど、特等席を独り占めするのもね。

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博物館の塔。ここから街が一望できる。

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塔のてっぺんの窓から。

登りにくい窓によじ登ったら降りられなくなってしまい、他の旅行者に助けてもらって階段に戻る。最後に土産物店も覗いてみるが、まだ荷物を増やしたくないので買うのを控える。ただキューバの英訳本も多数あり、本当は買いたかった。そういえば塔に登っているとき、下の広場でSilvio Rodríguezの曲をサルサ風に演奏していた。結構良かったなあ。

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トリニダーの街は上から眺めると美しい。

その後あてもなく街中をぶらぶら歩きまわり、水を買う。1.5cuc。やっぱり観光エリアどこで買っても高い。先程のグループなのか、広場でギターとマラカスで演奏している。彼らの音楽を聴く。すぐそばに観光客向けにライブ音楽を聴かせ続ける階段状の広場があるのだが、なんかこういうシンプルなものを聴いたり見たりする方が好きだなあ。

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いい感じの古びた教会。

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夜はライブで賑わう広場。年越しは夜通し踊り続ける。

トリニダーは細い道が複雑に入り組み、迷いながらカサに戻る。夕食は8時に頼んでおいた。量も多くて美味しい。アルゼンチンからのカップルが先に食べていて、せっかくだから同席させてもらう。アルゼンチンと聞いて思わず、インフレは大丈夫かと聞いてしまった。彼らは2ヶ月間の旅行だという。タニアと彼らは、キューバやアルゼンチンそして他のラテンアメリカ諸国の比較の話をする。物価が高いだの安いだの、服や食べ物がいくらだの、交通費がいくらだの……。

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トリニダーの街は大して大きくもないのに、とにかく迷う。