ぐだぐだキューバ旅 〜食べ踊り喋り続けた日々〜

ガイドブックもネットもなし、19日間キューバをほっつき歩いたぐだぐだ日記

シエンフエゴスの街歩きと博物館

シエンフエゴスには3泊した。世界遺産に登録されているが、トリニダーなどと比べると、観光地というほどでもない。しかしこの街は非常に気に入った。過ごしやすく、歩きやすい。治安も良く皆フレンドリーだ。海辺の街独特の開放感もある。そして物価が安い。3日目にはもう住人気分になっていた。

 

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シエンフエゴスで滞在したカサは、すべてViazulターミナルのそばで、街の中心部から少し離れている。ガイドブックは持ち合わせていないので、ラウルのカサで方向を教えてもらい、街の見どころなんかも訊いておく。

 

さっそく街歩きの開始。まだ夕陽を見に一度出かけただけ。見知らぬ街を初めて歩くときの愉しさ、それだけでわくわくする。2階の窓からも子供達が手を振ってくれる。あっちこっちから声をかけられる。シエンフエゴスでは観光用だけではなく、生活の足として馬車が使われている。馬だらけだ。

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公園のホセ・マルティの像。この辺りで欧米ツアー旅行者を多く見かけた。地元の人もお喋りを楽しんだり、くつろいだり。真っ暗になってからも子供達が遊んでいた。

中心部はとてもコンパクト。ホセ・マルティの像が立つ公園、カテドラルがすぐ横にある。歩いていると暑くて仕方がないので、カテドラルの中でしばし休憩。見学無料。

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カテドラルの中に飾られた、手の込んだ降誕の場面。

 

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公園にはベンチが多く、いつも人々で賑わっていた。

公園の脇から海岸まで伸びる通り(Calle 29)が、観光向けの歩行者通りになっており、道の真ん中に土産物屋が立ち並ぶ。両隣の建物はギャラリーが多い。ここは人通りが絶えず、観光客で賑わっている。結局何も買わなかったが、歩くだけで楽しい場所だ。

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土産物通り。売っていたものは革製品、洋服、サンダル、キューバグッズなど。

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歩くのは相当暑い。

海岸沿いの道(Calle 37)をPunta Gordaの岬まで歩く。あまりの暑さと日差しの強さに、くたくたなる。ヤシの並木以外あまり日陰がない。岬の先端は観光向けに整備され、飲食店が並ぶ。展望台からは対岸へ渡る船が通るのが見える。休憩しながら来た道を戻る。

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海岸沿いの通り。Calle 37

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シエンフエゴスにも博物館がある。場所は中心部から離れた、ひっそりとした地域。しかしあまり知られていないのか、全く人が来ない。2時間以上いたが、その間誰一人現れず、貸切で堪能。革命やキューバ史を扱った博物館は、訪れたすべての街で訪問したが、ここが最も印象に残る。誰にも邪魔されずにゆっくり見られたということもあるかもしれないが。入館料は2cucで、門から少し入ったところで女性が徴収に来た。

 

博物館は円形に作られた建物の中に配置され、キューバの先史時代に始まり、大航海時代の道具や、奴隷貿易で使われた道具なども展示されている。しかしやはり中心は、キューバ革命時、ここシエンフエゴスが爆撃された、1957年9月5日の攻撃に関してだ。新聞記事、街の写真、犠牲者の写真、遺品。理解できないスペイン語も結構あるのだが、それでも興味深く、丹念に見て回る。写真資料にはパブロ・ネルーダやホセ・マルティの言葉も添えられていたりして、魅入ってしまう。ここの博物館は魅せ方がなかなか詩的なのだ。プロパガンダの役割ももちろん果たしているが、後に行った他の革命博物館に比べればマシだ。

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ホセ・マルティの言葉とともに。

出口付近に、以前日本語訳で読んだホセ・マルティの「黄金時代」やゲバラの日記などの書籍も無造作に置かれていたので、読んでみる。なぜこの博物館に誰一人来ないんだろう、謎だ。バロディアは、みんなここの歴史を知らないのよ、と言っていた。静かで落ち着け、いい時間が過ごせる。

 

あまりの暑さに水を買うためセントロに戻ると、ちょうど水売りのおじさんに呼び止められ、0.5cucで水を買う。公園の日陰で涼みながら休んでいると、面白い場面に遭遇。

隣に座っていたおばちゃん2人組、でかい空のペットボトルを持つ観光客を見つけ、そのボトルちょうだい、と嬉しそうにもらっている。 思わず、何のために?と訊くと、大笑いしながら説明してくれた。作ったジュースをそこに入れておくのだそうな。私にも持っているかと聞くので、あるんだけれど残念ながらまだ水がいっぱいだと答えた。

キューバの田舎街には物なんてほとんど売っていない。ボトルは物資だ。そして水は高価でフルーツは安価。フルーツジュースはどこでもよく飲ませてくれたが、水はきっちり買わされた。水代わりの自家製フルーツジュースは、キューバ家庭に欠かせないものらしい。ジュースの入れ物が必要なのだ。

 

ひと休みして墓地を見に行く。街の外れにあり、暑さの中をぐったりして歩く。墓地の入口に女性がおり、何か質問があればどうぞ、と言うので話をする。この墓地はフランス人、ドイツ人、アジア人など、ずいぶん多くの国の人々が一緒に埋葬されているそうだ。キューバは人種差別が少ないと言うけれど、ここは仲良し墓地だ。入口に係員のような人はいても、入場料のようなものは特に取られなかった。

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墓地は街の外れ。観光客も少なくひっそりとしている。

帰り道、すれ違いざまにあっちこっちから中国人?と言われるので、いちいち訂正したり、さあ何人でしょう?と当てさせたりしていたが、だんだん面倒くさくなってくる。タクシーの客引きもまともに断るのが面倒くさくなり、ほら脚2本あるの見えるでしょ、歩けるんだから、とかわす。暑さの中丸2日歩き続け相当くたびれたが、掘っ建て小屋が並ぶ地域まで歩き回り、街を隅々まで見られた気がする。

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